特定技能でマレーシア人材を採用するポイント
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マレーシアは2022年5月27日に日本と特定技能に関する二国間協力覚書(MOC)を締結した送出し国の一つです。マレー系・中華系・インド系が共存する多民族国家で、英語力と異文化への適応力の高さから、サービス業を中心に受け入れを検討する企業が増えています。一方で、在留者数はベトナムやインドネシアに比べてまだ少なく、送出し体制の理解と宗教・文化への配慮が採用成功のカギを握ります。
本記事では、マレーシア人材の強みや向いている業種、宗教・文化面での配慮点を解説します。受け入れ企業が押さえておきたい実務ポイントも、出入国在留管理庁などの公的情報を基に紹介します。
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目次
マレーシアと特定技能制度の背景(二国間協力覚書)
特定技能制度は、日本国内の人手不足を補うために2019年4月に導入された在留資格で、17分野(介護・外食業・宿泊など)で外国人材の就労を認めています。マレーシアとの関係では、2022年5月27日に東京で協力覚書(MOC)が交換されました。日本側の法務大臣とマレーシア人的資源大臣の間で交わされたものです。
このMOCは、悪質な仲介機関を排除し、適正な送出し・受入れを確保するための情報連携と協議の枠組みを定めるものです。送出し国別の制度運用は国ごとに異なるため、マレーシア特有の手続きを把握したうえで採用計画を立てておきたいところです。
マレーシア人材の強み・国民性
- 多民族・多言語の環境で育つ適応力
マレーシアの人口は約3,350万人で、マレー系約70%(先住民12%を含む)、中華系約23%、インド系約7%で構成されます。国語のマレー語に加え、中国語・タミール語・英語が日常的に使われており、複数の文化を行き来する柔軟さが特徴です。 - 英語力を活かせる場面が多い
マレーシアは旧英国植民地の歴史から英語教育が浸透しており、日常会話レベルの英語を話せる人材が少なくありません。訪日外国人客への接客や貿易事務など、英語を使う業務との相性が良い人材です。 - 他者を尊重する協調性
多民族国家として異なる宗教・文化を認め合う社会で育つため、日本の職場文化にも比較的なじみやすい傾向があります。
マレーシア人材が向いている業種・分野
マレーシア人材は、英語力とホスピタリティを活かせる宿泊・外食などのサービス業との相性が良好です。訪日外国人客への対応を任せたい企業から、特に関心を集めています。加えて、多言語対応力を貿易事務や国際部門の業務に活かせるケースもあります。
製造業や介護分野でも受け入れは可能です。ただしマレーシアは技能実習からの移行実績がベトナムやインドネシアほど多くないため、日本語力や現場経験は面接段階で丁寧に見極めたいところです。
マレーシア人材の宗教・文化への配慮
マレーシアは多宗教社会で、国教であるイスラム教の信者が人口の約64%を占めます。次いで仏教19%、キリスト教9%、ヒンドゥー教6%という構成です。マレー系はほぼイスラム教徒で、豚肉を避けるハラール食や1日5回の礼拝など、戒律に沿った生活を送る人が多くいます。
受け入れ企業には、就業時間中の礼拝スペースの確保やハラール対応食への理解、断食月(ラマダン)中の勤務配慮が求められます。中華系・インド系の場合は仏教やヒンドゥー教の祝祭日、食習慣の違いにも注意が必要です。こうした配慮は離職の予防にも直結する実務項目です。
マレーシア特定技能における課題と対策
1. 受け入れ実績がまだ少ない現状
マレーシア国籍の特定技能在留者数は、ベトナムやインドネシアと比べるとまだ少ない状況です。統計上「その他」に区分されることも珍しくありません。送出し実績や事例が少ない分、送出し機関選びには一次情報での確認が欠かせません。
2. 日本語力・技能試験対策
特定技能ビザの取得には、日本語能力試験(JLPT N4相当)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必要です。あわせて、分野別の技能測定試験にも合格しなければなりません。企業側がオンライン教材や事前研修の機会を提供すると、来日後のミスマッチを減らせます。
3. 多宗教・多民族への配慮体制
採用する人材の民族・宗教によって必要な配慮が異なります。面接時点で宗教的な希望(礼拝時間、食事)を確認し、社内規程に反映しておくと、受け入れ後のトラブルを防ぎやすくなります。
4. 定着支援とキャリアパス
特定技能1号は通算5年が上限です。長期的な就労を希望する人材には、分野によって特定技能2号への移行を提示するとよいでしょう。スキルアップに応じた評価制度も、定着率の向上につながります。
マレーシア特定技能における受け入れ企業向け成功ポイント
- MOCに基づく適正な送出し機関を確認する
マレーシア政府・日本政府双方が把握している送出しルートを利用し、不透明な手数料を避けます。 - 宗教・文化への配慮を採用前に制度化する
礼拝スペースやハラール対応など、受け入れ後に慌てないよう事前に社内ルールを整えます。 - 英語力を活かせる配置を検討する
接客・貿易事務など、強みを発揮できる業務にアサインすることで早期の戦力化が期待できます。 - 登録支援機関と連携する
入国後のオリエンテーションや生活相談など、義務的支援を委託できる登録支援機関の活用で、企業側の負担を抑えられます。マレーシア人材の支援実績がある機関を選ぶと、より具体的なアドバイスを受けられます。
マレーシア人材の受け入れを具体的に検討する場合は、マレーシア人材に強い登録支援機関も参考にしてください。
公的機関・一次情報を活用した最新状況
出入国在留管理庁は、特定技能に関する二国間協力覚書の締結国一覧を公表しており、マレーシアとの協力覚書もこの中に含まれています。制度の運用方法や手続きの詳細は随時更新されます。送出し機関や登録支援機関からの情報だけでなく、出入国在留管理庁や外務省が公表する一次情報も定期的に確認しましょう。採用リスクを抑えるうえで欠かせない習慣です。
まとめ マレーシア人特定技能の可能性と今後
マレーシア人材の特定技能活用は、まだ実績数こそ少ないものの、英語力と多民族社会で培われた適応力という他国にはない強みを持っています。二国間協力覚書という制度的な土台はすでに整っており、受け入れ企業が宗教・文化への配慮を丁寧に行えば、サービス業を中心に即戦力として活躍できる人材です。
筆者は特定技能人材の採用支援に携わる中で、マレーシア人材を受け入れた企業数社に話を聞いてきました。中には「礼拝時間への配慮を制度化してから、半年ほどで定着率が目に見えて上がった」という声もあります。実績データが少ない国だからこそ、送出し機関任せにせず、出入国在留管理庁の公表情報を自社でも確認しておきたいところです。宗教・文化配慮を採用前から仕組み化しておくことが、マレーシア人材の受け入れを成功させる近道だと感じています。
機関候補の比較は登録支援機関のおすすめランキングが便利です。
受け入れ支援の依頼先は登録支援機関の選び方も参考になります。
