特定技能2号への移行要件と手続き|分野別の条件を解説
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特定技能2号への移行には、分野別の技能評価試験への合格と、分野ごとに定められた実務経験の要件を満たす必要があります。2023年6月の閣議決定により、現在は介護分野を除く11分野が対象です。2024年以降に1号へ追加された自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野は、2026年7月時点ではまだ2号の対象になっていません。
本稿では移行要件と在留資格変更許可申請の手続きの流れを、分野別の試験名や実務経験年数を含めて整理します。受け入れ企業が移行前に準備すべき点もあわせて紹介します。
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目次
特定技能2号とは(1号との違い)
特定技能2号とは、熟練した技能を持つ外国人に対して、長期の在留と家族帯同を認める在留資格です。特定技能1号からのステップアップとして位置づけられています。
特定技能1号と比べると、在留期間の更新回数に上限がなく、配偶者と子の帯同も認められます。受入れ機関による支援計画の作成・実施義務もありません。制度的な違いをより詳しく知りたい場合は、特定技能1号と2号の違いで在留期間や対象分野を含めて比較しています。
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年が上限 | 更新に上限なし |
| 家族帯同 | 原則不可 | 配偶者・子は可能 |
| 支援計画 | 作成・実施が必須 | 義務なし |
特定技能2号は制度発足当初、建設と造船・舶用工業の2分野に限られていました。2023年の対象分野拡大で、介護を除く多くの分野に広がっています。人手不足が続く分野で、熟練人材に長く働いてもらう狙いがあります。
特定技能2号への移行要件(試験・実務経験)
特定技能2号への移行には、分野ごとに定められた技能評価試験への合格が必須です。加えて、分野によっては一定期間の実務経験が求められます。
実務経験は分野ごとに年数や内容が異なり、通算5年の在留が前提になるわけではありません。要件を満たした時点で申請でき、特定技能1号を経ずに2号を取得することも制度上は可能です。
同一の受入れ機関でなければ移行できないという制限もありません。転職を経ても、移行先の分野で技能試験に合格し実務経験の要件を満たせば申請できます。転職を伴う場合は、受入れ企業の変更に関する届出も別途必要になるため、あわせて確認しておきましょう。特定技能制度そのものの枠組みを確認したい場合は、特定技能とはで在留資格の全体像を解説しています。
分野別の移行要件(試験名・実務経験年数)
技能試験の名称と必要な実務経験年数は分野ごとに個別に定められています。実務経験は、就業証明書や在籍していた企業の証明など、分野ごとに指定された方法で証明します。主な分野の例は以下のとおりです。
| 分野 | 試験 | 実務経験の目安 |
|---|---|---|
| 建設 | 建設分野特定技能2号評価試験、技能検定1級または技能検定単一等級 | 職長・班長としての就業実績を分野の能力評価基準で確認 |
| 造船・舶用工業 | 造船・舶用工業分野特定技能2号評価試験 | 複数の作業員を指導しながら作業した実務経験 |
| 自動車整備 | 自動車整備分野特定技能2号評価試験 | 整備作業の判断力とほかの整備要員への指導力を試験で確認 |
| ビルクリーニング | ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験または技能検定1級 | 複数の作業員を指導し現場を管理した実務経験2年以上 |
| 工業製品製造業 | 製造分野特定技能2号評価試験およびビジネス・キャリア検定3級、または技能検定1級 | 製造現場での実務経験3年以上 |
介護分野を除く11分野が対象で、分野によって試験名や実務経験の定義が異なります(2024年以降に1号へ追加された4分野は2号未対応のため対象外)。対象職種の全体像は特定技能の職種一覧で分野ごとに整理しています。
自社が対象とする分野の詳細な要件は、分野を所管する省庁の運用要領で確認してください。出入国在留管理庁「特定技能制度」のページから、分野ごとの運用要領や試験情報にたどり着けます。
移行手続きの流れ・必要書類
移行手続きは、技能試験への合格を起点に、在留資格変更許可申請という形で進みます。
- 分野別の技能評価試験に合格する
- 雇用契約を締結し、報酬水準が日本人従事者と同等以上であることを確認する
- 申請書類を準備し、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請を提出する
- 審査を経て、許可が下りれば特定技能2号での在留が始まる
審査期間は申請内容や時期によって幅がありますが、余裕を持って2〜3か月程度は見ておくと安心です。在留期限が近い場合は、早めに申請の準備を始めてください。
必要書類には、申請人本人が用意する技能試験の合格証明書や納税関係の書類があります。企業側も雇用条件書や納税証明書などを用意します。分野によって追加書類が求められる場合もあります。詳しい申請様式は出入国在留管理庁の特定活動(特定技能2号への移行)ページで確認できます。
特定技能ビザの申請区分全体を把握したい場合は、特定技能ビザもあわせてご覧ください。
受け入れ企業が2号移行前に準備すべきこと
特定技能2号では支援計画の作成・実施義務がなくなりますが、雇用管理そのものが不要になるわけではありません。
- 雇用契約の内容と報酬水準が、2号移行後も日本人従事者と同等以上であるかを確認する
- 配置予定の業務が、対象分野の従事可能業務の範囲に収まっているかを確認する
- 就業場所や契約内容に変更が生じた場合の届出ルールを、担当窓口であらかじめ決めておく
- 分野別の運用要領を確認し、試験区分や実務経験の証明方法を早めに把握しておく
支援義務がなくなる分、運用側の負担は軽くなります。一方で契約管理や届出は引き続き必要なため、担当者を明確にしておくとスムーズです。書類の準備や分野別要件の確認に不安がある場合は、行政書士など専門家への相談も選択肢になります。
移行のメリット(支援義務不要・家族帯同・在留期間上限なし)
特定技能2号への移行は、企業と本人の双方にメリットがあります。制度上の負担軽減と、本人のキャリア・生活基盤の安定という2つの側面から見ていきます。
企業側は、登録支援機関への委託費用や自社での支援実施にかかる工数を削減できます。1号では義務だった生活オリエンテーションや定期面談などの支援が不要になるためです。
依頼先を検討する際は登録支援機関の選び方のチェックポイントも参考になります。
本人側は、在留期間の更新に上限がなくなり、長期的な就労が可能になります。配偶者と子の帯同が認められるほか、就労実績や納税状況などの要件を満たせば永住許可の申請につながる可能性もあります。単身赴任が前提だった1号と比べ、日本での生活基盤を築きやすくなる点は、本人の定着意欲にも影響します。
よくある質問
特定技能1号の実務経験が5年に満たなくても2号に移行できますか
移行できます。2号への移行は在留期間の長さではなく、分野別の技能試験合格と実務経験の要件を満たしているかどうかで判断されます。
転職しても特定技能2号への移行はできますか
できます。移行先の分野で技能試験に合格し、実務経験の要件を満たしていれば、同一の受入れ機関でなくても申請可能です。
特定技能1号を経ずに2号を取得できますか
制度上は可能です。特定技能2号の要件を満たしていれば、1号を経由せずに2号の在留資格を取得できます。
2号への移行後、企業の負担は増えますか
支援計画の作成・実施義務がなくなる分、事務負担はむしろ軽くなります。ただし雇用契約や報酬水準の管理、各種届出は引き続き必要です。
まとめ
特定技能2号への移行は、分野別の技能試験合格と実務経験の要件を満たすことが前提です。在留期間の上限がなくなり、家族帯同や永住申請への道も開けます。長期的な人材活用を考える企業にとって有力な選択肢です。
移行手続きでは、分野ごとに試験名や実務経験の定義が異なる点に注意が必要です。所管省庁が公表する分野別の運用要領を確認してください。そのうえで、雇用契約や報酬水準の整合、届出体制を早めに整えておくと、申請から許可までをスムーズに進められます。
特定技能1号は対象分野の拡大が続いており、今後2号の対象分野に追加される可能性もあります。自社の分野の動向は、出入国在留管理庁の発表でこまめに確認しておくと安心です。
