特定技能受け入れ後の届出義務まとめ|出入国在留管理庁への手続
公開日
最終更新日
監修者
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、出入国在留管理庁への届出を継続的に行う法的義務を負います。届出は、雇用契約の変更時などに提出する「随時届出」と、年1回まとめて提出する「定期届出」の2種類です。
届出を怠ると、特定技能外国人を継続して受け入れられなくなるほか、指導や改善命令の対象になることもあります。届出の種類・期限・提出方法を、出入国在留管理庁の公表情報にもとづいて整理しました。
特定技能の届出とは(受入れ機関の法的義務)
特定技能の届出とは、特定技能の在留資格で外国人を受け入れる企業が行う法定の報告手続きのことです。出入国在留管理庁への提出が義務づけられています。届出者は受入れ企業(特定技能所属機関)本人であり、登録支援機関が代わりに届け出ることはできません。
届出には2種類あります。雇用契約や支援体制の変更時に提出する随時届出と、受入れ状況を年1回まとめて報告する定期届出です。どちらも提出を怠ると、外国人の継続受け入れができなくなる点に注意が必要です。
届出の種類・期限を一覧で整理した早見表
受入れ機関が行う届出は、大きく分けて随時届出と定期届出の2種類です。まずは種類と期限を一覧表で確認しましょう。
| 届出の種類 | 提出タイミング | 提出期限 |
|---|---|---|
| 随時届出(雇用契約の変更・終了・新規締結) | 契約内容に変更が生じたとき | 事由発生日から14日以内 |
| 随時届出(支援計画の変更) | 支援責任者・担当者や委託先を変更したとき | 事由発生日から14日以内 |
| 随時届出(支援委託契約の変更) | 委託契約の内容変更・終了・締結があったとき | 事由発生日から14日以内 |
| 随時届出(受入れ困難) | 受け入れの継続が難しくなったとき(1か月以上活動できない休職等を含む) | 事由発生日から14日以内 |
| 随時届出(基準不適合) | 特定技能基準省令の基準を満たさなくなったとき | 事由発生日から14日以内 |
| 随時届出(支援計画の実施困難) | 支援計画の実施が難しくなったとき | 事由発生日から14日以内 |
| 定期届出 | 受入れ・活動・支援の実施状況を年1回報告 | 対象期間の翌年4月1日〜5月31日 |
随時届出は事由発生から14日以内、定期届出は毎年4月1日から5月31日までの提出が基本です。次の見出しから、それぞれの内容を詳しく解説します。
随時届出(種類・発生事由・14日以内の期限)
随時届出とは、特定技能外国人の雇用状況や支援体制に変更が生じたときに、その都度提出する届出です。出入国在留管理庁が公表している随時届出は、次の6種類に分かれます。
- 雇用契約の内容変更・終了・新規締結の届出(参考様式第3-1-1号・第3-1-2号)
- 支援計画の内容変更・支援責任者や委託先の変更に係る届出(参考様式第3-2号)
- 支援委託契約の変更・終了・締結に係る届出(参考様式第3-3-1号・第3-3-2号)
- 受入れ困難に係る届出(参考様式第3-4号)
- 特定技能基準省令の基準不適合に係る届出(参考様式第3-5号)
- 1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出(参考様式第3-7号)
たとえば特定技能外国人が退職した場合は、複数の届出をまとめて提出する必要があります。
- 特定技能雇用契約の終了に係る届出書(参考様式第3-1-2号)
- 受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)
- 受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書(参考様式第5-11号)
提出期限は、いずれも退職などの事由が発生した日から14日以内です。期限の起算日は届出書の作成日ではなく、事由が発生した日である点に注意してください。
退職や契約変更の連絡を受けた時点で、社内カレンダーに14日以内の期限を登録しておくと、うっかり漏れを防ぎやすくなります。
定期届出(対象期間・提出期限・必要書類)
定期届出とは、特定技能外国人の受入れ・活動状況と支援の実施状況を、1年に1回まとめて報告する届出です。2025年4月の運用変更により、提出頻度が四半期ごとから年1回になりました。
対象期間はその年の4月1日から翌年3月31日まで、提出期限は翌年5月31日までです。期限が土曜・日曜・祝日にあたる場合は、翌開庁日が期限になります。
対象期間中に1日でも特定技能外国人を受け入れていれば、定期届出の提出が必要です。受け入れ実績がない期間や、すでに廃業・倒産している場合は提出を求められません。
提出が必要な主な書類は、次の2点です。
- 特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況(参考様式第3-6号 別紙1)
- 受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号 別紙2、署名欄)
支援の全部を登録支援機関の定期報告に委託している場合は、登録支援機関側の支援実施状況もあわせて取りまとめます。受入れ機関が一括して提出します。
届出の提出方法(電子届出システム・郵送・窓口)
届出の提出方法は、電子届出システム・郵送・窓口持参の3通りです。出入国在留管理庁はオンラインでの提出を推奨しています。
| 提出方法 | 特徴 |
|---|---|
| 電子届出システム | 24時間提出可能。添付書類もオンラインでアップロードでき、提出状況も確認できる |
| 郵送 | 配達記録が残る方法が推奨される。管轄の地方出入国在留管理局宛てに送付する |
| 窓口持参 | その場で書類の不備を指摘してもらえる。初めての届出や内容が複雑な場合に向く |
電子届出システムを利用すると、過去の入力データを次回以降の届出に活用できます。また、一定の基準を満たす受入れ機関として認定されると、定期届出の提出書類の一部を省略できる制度もあります。
登録支援機関に委託している場合の届出の分担
特定技能外国人への支援を登録支援機関に委託していても、出入国在留管理庁への届出そのものは受入れ機関が行います。登録支援機関が受入れ機関に代わって届出を提出することはできません。
一方で、定期届出のように、登録支援機関の支援実施状況を取りまとめて受入れ機関が提出する届出もあります。委託契約を結ぶ前後で、次の点を確認しておくと届出の抜け漏れを防げます。
依頼先を検討する際は登録支援機関の選び方のチェックポイントも参考になります。
- 委託の範囲(支援の全部委託か一部委託か)
- 随時届出が必要になった際の連絡フロー
- 定期届出に向けた必要書類の提供時期
届出を怠った場合のリスク
届出を怠った場合、受入れ機関はそれ以上特定技能外国人を受け入れられなくなります。出入国在留管理庁からの指導や改善命令の対象になることもあります。
登録支援機関についても、受入れ機関から支援状況が提出されないと、登録の取り消しにつながる可能性があります。届出の遅延は、外国人本人だけでなく支援体制全体に影響します。
特定技能外国人の受け入れから届出までの流れ
届出は、特定技能外国人を受け入れるまでの手続きが完了した後も続く業務です。受け入れ後の年間スケジュールに、届出のタイミングを組み込んでおくと管理がしやすくなります。
- 受け入れ直後:雇用契約に関する随時届出が必要になる場合がある
- 受け入れ期間中:契約内容の変更や休職などが生じるたびに随時届出
- 毎年4月〜5月:前年度分の定期届出をまとめて提出
- 契約終了・退職時:受入れ困難に係る届出などをあわせて提出
採用担当者だけでなく、労務や総務の担当者とも届出のタイミングを共有しておくと、提出漏れを防ぎやすくなります。
よくある質問
Q. 登録支援機関に支援を全部委託していれば、届出も任せられますか?
A. 任せられません。出入国在留管理庁への届出は、受入れ機関(特定技能所属機関)本人が行う必要があります。登録支援機関は、必要書類の準備に協力する立場です。
Q. 随時届出の提出期限は、どの時点から数えますか?
A. 届出書を作成した日ではなく、雇用契約の変更や退職などの事由が発生した日から14日以内です。事由発生後は早めに準備を始めましょう。
Q. 定期届出の対象期間中に受け入れ実績がない場合はどうなりますか?
A. その期間に1日も受け入れていない場合、定期届出の提出は不要です。ただし、期間中に受け入れがあった場合は提出が必要です。
Q. 届出はすべて電子届出システムで行う必要がありますか?
A. 必須ではありません。郵送や窓口持参も可能です。ただし、電子届出システムのほうが提出状況を確認しやすく、実務上の負担も軽くなります。
Q. 委託先の登録支援機関を変更した場合も届出が必要ですか?
A. 必要です。支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)により、変更が生じた日から14日以内に届け出ます。
まとめ
特定技能外国人を受け入れる企業には、随時届出と定期届出という2種類の法的義務があります。随時届出は事由発生から14日以内、定期届出は毎年4月1日から5月31日までの提出が基本です。
届出の主体はあくまで受入れ機関であり、登録支援機関に支援を委託していても届出そのものは自社で行う必要があります。届出の種類と期限は、一覧表で管理しておくと安心です。受け入れ後の年間スケジュールに、届出の期限もあらかじめ組み込んでおきましょう。
支援機関を探す段階では登録支援機関のおすすめランキングも役立ちます。
